ー次の日ー

私は珍しく早起きをした。
正確に言えば、一睡もできてない。
昨日の彼の発言がわからなくて。
なんであんなことを言ったのか、なんであんなことをしたのか。
そんな事を考えてたら朝になっていた。
「学校…行かなきゃ」
登校中も頭の中は優のことでいっぱいだった。
学校に行けば優とは前後の席で嫌でも近くなってしまう。
別に避けたいわけじゃない。でも、私の中で彼の行動の意味が理解できない限り、ちゃんと目を見ることすらできない。
そんなことを思いながら教室のドアを開けると教室から出ようとしていた優と鉢合わせしてしまった。
「おはよう」
そう声をかけられたが私はすぐに目をそらして小さく「おはよ」とだけ答えて席についた。

授業の間も彼の視線は感じていたものの、一度も振り向かずに1日を過ごした。
普段から学校ではあまり話さない私達だから周りもそんなに不思議がったりしない。

1日の授業が終わり、優が「帰ろう」と声をかけてきたが「ごめん、先に帰るね」とだけ言って家に帰った。こんなに急いで家に帰ったのは生まれて初めてだった。

夕ごはんも自分だけ先に食べて、彼の分は冷蔵庫に入れて私は先に寝た。
家でもあまり顔は合わせたくなくて極力合わないように生活習慣まで変えた。

こんなことが5日間続いた。