「なぁ、もし俺が誰かと付き合ったらどーする?」
それは同居生活も当たり前のようになってきていたある休みの日のお昼。彼がふと私に聞いてきたのです。

ーーちくっーー

なんだろう、今の胸の痛み
「誰かに告白されたの?」
「いや、なんとなく」
どうしたんだろう、急に。
あぁでも、私にも関係あるか。彼が誰かと付き合ったらさすがに一緒には住めない。

ーーちくっーー

まただ。なんだろう。この痛みは。
ボディーガード…。いつまでだろ。
「…誰かと付き合うまでは…ボディーガードよろしくお願いします。」
気がつくとそんなことを言っていた。
『…ずっとボディーガードかよ俺は…』
彼がそんなことをつぶやいたことなど気づかず、私はお風呂掃除をしてこようと思い部屋を出ようとした

ダンッーー

ドアが思いっきり閉められ、私の後ろには優がいて横には優の腕がある。
いわゆる壁ドンだ。
「ゆ、優?」
「……て。俺のこと男として見て」
「え…?」
「ボディーガードじゃなくてひとりの男として。」
そう言うと優は背後から私を抱きしめてきた。
「ちょ、優。やめて。」
「もうちょっと…このままで…お願い」
その声は震えていて私を抱きしめる腕も小刻みに震えていた。
それ以上何も言い返せなくなった私は彼が満足するまで大人しくすることにした。
「ごめんな、ありがと。……俺、今日は友達ん家泊まるわ。」
「う、うん。」
そう言って家を出ていった。
なのに、私の心臓は壊れたんじゃないかって勢いでバクバクいってる。
「なんで…ボディーガードが…手…だしてんのよ…」
笠原美央17歳 初めてのハグをボディーガードにされました。