いま、私達は大きなショッピングモールにいる。
なぜなら、彼はボディーガードだからだ。
なんだかこんな用事で彼の予定を狂わせてしまってすごく申し訳ない気がする。
「あ、あの、なんかごめんね?」
「なんで謝るんだよ」
「いや、私のせいで優の予定狂っちゃってるし…」
「いや、予定とかないから大丈夫」
気を使っていってくれてるのか、本当の事なのかはわからないが彼がついてきてくれて安心してる自分もいる。
『ぱぱぁーままぁー……うぅー』
迷子かな?
私も迷子になったことがある。
子供にとって迷子はすごく辛い。
私はその子に向かって声をかけた。
「僕ー、迷子かな?パパとママは?」
「ぱぱとままいない」
「よし!じゃあお姉さんが一緒にパパとママ探してあげる!」
「うん…ひっく…」
私がその男の子を抱っこしようとしたけれど、どうやら私にそこまでの力はなかったみたい。
…全然持ち上がらない…
ヒョイーー
「ゆ、優?」
「俺が抱いてくから、サービスセンターまで案内して」
「う、うん。ありがと」
子供を抱きかかえる姿は本当のパパみたいで自然と笑みがこぼれた。
「なんだよ」
「ううん、パパだなーって思って」
「ち、ちげーし」
そう言って頬を赤らめる優はなぜかいつものように可愛いと思うのではなく、“かっこいい”と思った。
「ジロジロ見てんな!」
「あっ、ごめん」
目が合い笑い出す私達に男の子は言った。
「お姉ちゃんたちも僕のパパとママみたいに仲良しだねー」
ふと、そんなことを言われてキョトンとしてる私に対して優は
「そっかー、ありがとな。にーちゃん嬉しいぞ!」
そう言って男の子の頭をなでた。
いま、嬉しいって言った…?
え、え、、
冗談だとはわかっていてもどーしても意識してしまう。
どうしよう。顔があついよー。
「どーした?美央。サービスセンター行くぞ?」
「あ、あぁうん!」
「…?」


私達がサービスセンターに男の子を連れて行くとそこにはすでに男の子のお父さんとお母さんがいた。
「っ!!…しょうた!」
しょうたくんっていうんだ。
「あの、ありがとうございました。」
「いえ、無事に会えてよかったです。」
そう言うとしょうたくんの家族は帰っていった。

「良かったな。親と会えて」
「うん!よかった!」

そのあと私達は夕飯の材料を買って帰った。

「美央、ご飯!」
そう言ってまた可愛い笑顔を私に向けた