今日は美央にちゃんと告白するために早く帰った。
家でサプライズを仕掛けて待ってようと思ったんだ。
だけど準備中、何かすごく嫌な予感がして、いてもたってもいられなくなって俺は学校へと向かった。

ほとんどの人が帰った校舎は静かで俺の足音がよく響く。
美央がどこにいるのか探していたら廊下の奥の方から怒鳴り声が聞こえた。
その声に耳を澄ますと『ご、ごめんなさ…い』とか細い声が聞こえてきた。俺にはそれが誰のものなのか考える必要もなかった。
「っ!!…美央っ!」
俺が教室にたどり着いたときにはもう遅かった。
美央はあいつに殴られて、それでもあいつを睨みつけていた。
俺は美央の頬が赤く腫れてるのを見て怒りは限界を越えた。
無表情のままやつの腕を掴み、睨みつけてた。
殺してやる。美央にこんなことして。
殺す。
本気で殴りかかろうとした時、美央の名前を呼ぶ声が聞こえてハッと我に返った。
だが、怒りがおさまることはなくやつの溝に思いっきり膝をいれてその後美央に向かって土下座させた。

美央は俺が来たことをありがとうと言ったけど、おれはボディーガードとして最悪だ。
美央がこんな辛い思いをしてるときに助けてやれなかった。
美央の赤く腫れ上がった頬を撫でながら俺はただ美央に謝ることしかできなかった。