ギィ、と開けられたドア。

「入れ」
「は、はい」

おじゃま、します。
スニーカーがいくつも並ぶ玄関で、濡れた製靴を脱いだ。

リビングまで行くとタオルを渡された。スカートが濡れているせいでソファにも座れない。

「あいたっ」

片足でソックスを脱ごうとしていたら床に尻餅をつく。先生は洗面所にいたおかげで何も聞かれてはいないようだ。
ほっとしながら、雨で濡れたハイソックスも指で下ろして、踵から外す。

スカートも……びしょびしょだ。
先生のジャージは大きいし長いから、スカートを脱いでも大丈夫かもしれない。

白いショーツもぐっしょり濡れていて、先生が戻って来ないうちに脱いで、丸めておいた。

濡れた鞄から教科書を出す。水溜りに浸かった鞄の中身が気になっていたのだ。

「あーあ、全滅……っくしゅ!」

くしゃみをした私の背後から、先生の声がした。

「おい。風呂で暖まれ」

先生はネクタイを緩めながら、バスルームを指差している。