濡れた髪から、先生のシャツの肩にぽたりと雫が落ちて、先生が振り返る。

「ちゃんと拭いてるのかお前」

先生はバスタオルを取り上げ、大きく広げると頭から被せてきた。

「わっ」
「我慢しろ。拭いてやる」

わしわしと髪を拭かれた。タオルの隙間から見える先生は、真っ直ぐに私を見下ろしていて、指の当たり具合はとても心地よくて。

下着が透けてるのも、見えてるのかな……。
先生に見られてると思うと、恥ずかしいけど、体が熱くなる。

「……氷上先生」
「何だ?」

誰もいない雨の日の体育教官室で、先生と二人で……。

「シャツが濡れて寒いです……」

先生の鋭い目線が、私の胸元をかすめる。
漆黒の瞳が、白いシャツに浮き出る桜色のレースを。