先生は……リビングにいるのかな……?
と思ったら、先生の方からこっちへやってきた。
身長160センチの私でも、先生の背の高さなら簡単に見下ろされてしまう。

「出たのか」
「あっ、はいっ。先生もお風呂……」

その時。
ピカッと鋭く強い閃光が走り、間をおかず雷が落ちた。凄まじい轟音に、床にも振動が走る。

「ぎゃあああっ」

色気のない悲鳴をあげ、思わず側にいた先生に縋り付くと、部屋の電気が一斉に落ちた。

「え……えっ、停電⁉︎やだっ、暗いの怖いっ」
「おい。落ちつけ。すぐに復旧するだろ」

ひゃ……っ。

耳元に聞こえてくる先生の甘く低いその声に、思わず耳を塞いだ。

「あの雷の音は、近くに落ちたかな」

先生は全く動じる様子もない。