なんかドキドキが止まらない。
拓也とはもう2年も友達を続けていて“男の人”という類いとはまた別な感じだけれど、冬馬くんは違う。
さっき初めて会って、まだどんな人かも知らない。
それなのにいつもの光景とは違って、私の部屋にその冬馬くんがいる。
「誰かさん家とは違って相変わらず片付いてんな」
飲み物をキッチンで用意していると拓也の声が聞こえてきた。
「誰かさん家って誰よ」
穂乃花の鋭い声が響く。
「穂乃花んちに決まってんだろ」
「うるさいわねー」
二人の言い合いを余所に私はテーブルにコップを並べた。
「さーて、始めるか」
そう言って慣れた手つきで拓也がゲームを棚から出してセッティングを始める。
「すげえ慣れてんな」
冬馬くんがグーパンチを拓也に入れた。
「まあ第二第三の家みたいなもんだからな」
確かに。
私も穂乃花と拓也の家の勝手は知っている。
他人からしてみたらおかしな光景なのかもしれない。
それから皆それぞれコントローラーを手にして思う存分ゲームを楽しんだ。
「ぎゃーーー待って!なんで私に甲羅が」
「よっしゃ、1番」
「えーーー!またかよ」
あの人気のカーレースを難なくクリアしていく冬馬くん。
「俺これ得意だもん」
とニヤッと少年のような笑顔を浮かべた。
か、かわいい。
ゲームなんてそっちのけでついつい顔を見てしまう。
「瑞希逆走してるよ!!」
ハッとして画面を見ると順位は最下位どころか進行方向とは逆の方向に進んでいた。
「あ、やだ」
私としたことが。
実はというと、ゲームはあまり得意ではない。
でも皆としてるゲームはすごく楽しい。
だからついつい買ってしまったゲーム。
「あー、また瑞希最下位だよ」
拓也が眉を下げて困った顔をしている。
私はそれでもいいんだけどな。
「じゃあ、次は瑞希もがんばれるように罰ゲーム制にしようか」

