「冬馬迎えサンキューな」
冬馬くんが車で私たち3人を迎えに来てくれ助手席に拓也、後部座席の拓也の後ろに私、冬馬くんの後ろに穂乃花が腰かけた。
「冬馬くん、かっこいいね」
頬を少し赤らめ小さい声で穂乃花が私に囁く。
「そうだね」
お父さん以外の男の人の運転する車に乗ったのは初めてで、なんだか言い表せない気持ちになる。
運転席をちらりと確認する。
たまに拓也と話をして左を見る姿にドキッと胸が跳ねた。
なんだろうこの気持ち。
それがなんなのかもわからず、でも冬馬くんの笑顔が可愛いくて思わず私も頬が上がる。
「な、瑞希もそう思うだろ?」
「え!?」
名前が聞こえ冬馬くんを眺めていた視線を助手席に座る拓也に移した。
ちっとも会話の内容を理解していない。
と、言うよりも全く聞いていなかった。
「ごめん…聞いてなかった」
失態。
冬馬くんばかり見つめてたがために、周りの状況をわかっていなかった。
「まーた瑞希は自分の世界に入ってたな。冬馬ばっか見つめてんなよ」
「た、拓也!」
ぶわっと全身が熱くなる。
拓也がニヤニヤと笑っていた。
「う……」
拓也の言う通りだ。
私の悪い癖だ。
なんにも言い返せず俯くしかなかった。

