海風が本のページを撫でる。 留めてないカーディガンの一番下のボタンが、座っている石段にぶつかってカチッと音をたてた。 パラッ、、カチッ、、カチッ、、パラッ、カチッ、、、 ページを捲る音を不規則に邪魔するカチッは鬱陶しいけど嫌いじゃない。 ザー… あ、波の音。 カチッ、、パラッ、、カチッ、、カチッ、、ザッ…、パラッ、、 うん。嫌いじゃない。