私の学年、3年生の最後の夏が始まった。




初戦は優勝候補と言われている強豪高校。





抽選会で対戦校が決まったときには、きっとみんな何とも言えない気持ちだった。




でも試合当日まではもう練習とシミュレーションを必死にするしかなくて。




あとは心の持ち方。







   




そして日はあっという間に過ぎ。





開幕式も終わり初戦を迎えたーーーーー



 





前半戦はお互いに譲らず、どちらかが点を取れば取り返しての繰り返し。





私たちチームも観客も息を潜めてその時を待っていた。








ついに、流れが変わったのは延長11回表。




先攻の相手高校が1アウト1塁2塁の状態でうちのチームが不利的状況だったときに起きた。



2塁ベースからはみ出た走者へキャッチャーが見逃さずに送球。



ベースに戻るも間に合わない相手走者をセカンドとサード守備が挟み撃ち。




もちろんアウトになった。






キャッチャーの快進撃に大歓声が湧く。






あとになって知ったことだけど、それまでは相手高校中心だったテレビ中継が、うちの高校に視点をに変えていたのがあからさまだったのを覚えている。








そこから波に乗り攻撃していく私たちのチーム。





ベンチから今にでもグラウンドへ飛び出したい気持ちを押さえてスコアを必死につけた。










負けるとは思わなかったが、あまりにも嬉しすぎて自然と涙が出た。