「お帰り、買い物どうだった?」
家に帰ると、姉の桃花(トウカ)がテレビを見ながら聞いてきた。
長い足をクロスさせるその姿は美しい。
6歳年上の姉は今年で大学2年生。
ハキハキとした性格の姉は、私の良い相談相手。
今日は遊びにいくらしく、休日だというのにバッチリメイクをしている。
「楽しかったよ、欲しいものも買えたし。」
「華の中学生が一人で買い物ねぇ。」
馬鹿にしたような、呆れたような声で言ってくるお姉ちゃん。
私はそれにムッとしながらも答える。
「一人の方が気を使わなくていいし…」
「ふーん、まぁ分からなくもないけど。」
「でしょ?」
決して一人が良いというわけではないけど、一人は好きだ。
自由気ままにできるから。
「あ、そういえばあんた彼氏いたじゃん。
デートしてくれば?」
彼氏と言う言葉に心臓が大きく跳ねた。
1つ上の先輩、大迫遥斗(オオサコハルト)に告白されたのは今から3か月前。
優しいという噂の通り、先輩はとてもいい人だった。
「せ、先輩は受験生だし…忙しいだろうし…」
大迫先輩は、地元で一番難しい高校に受験する。


