ナオちゃんにとって、
苦渋の決断だったと思う。


いや、“苦渋”という言葉で簡単に言い表せられない程の気持ちだったはずだ・・。


自ら“婚約解消”を相手に申し出て、
時折お互いの両親を交えながら、

何度も話し合った末に、
ナオちゃんは婚約者とお別れした。


傍から見れば、

“婚約者が病気になったナオちゃんを捨てた”

と思われても仕方ないけど、

実際は・・婚約者さんは全て受け入れた上でナオちゃんとの結婚を進めようと・・・

最期の時まで寄り添おうとしていた。


それを・・ナオちゃんが頑なに拒んだ。