“プロポーズされたら買おう!”

のキャッチフレーズでお馴染みの結婚情報誌を昨日のうちに本屋さんで買っておいた。


今月号は、
“最新 人気ウエディングドレス セレクション”

を特集としていたからちょうど良かった。


多分ナオちゃんはこういうのを見たかったんだと思う。





「ありがとうね。」


「うん。」





結婚か・・・。


今でもあの時の悪夢が蘇ってしまう・・・。



ナオちゃんには婚約者がいた。


だけど・・・病気が発覚してから・・
・・余命5年という事が発覚してから・・







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「おはよう。」


「おはよう。
・・・・・どうしたのその顔の傷?」


「う、うん。ちょっと転んじゃって。」


「・・・・・・ウソ。」


「え・・・。」


「カンちゃん嘘つく時、
いつも視線が左に泳ぐもん。」


「・・・・・。」


「・・教えて・・・。」


「・・・ごめん。

昨夜父さんが、
“ナオちゃんの婚約者さんを殺す”
って殴り込みに行こうとしたから、

母さんと必死に止めてた時に、
ちょっと不可抗力で・・。」


「・・・・ごめんね・・・
・・・私のせいで・・。」


「大丈夫だよ。
俺達にはよく分かってるから。

父さんだって、やり場の無い気持ちにちょっと自分を見失っちゃっただけだから。」


「うん・・・。」

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