最終章 命 最後の魔術 “カラ・・・カラ・・” 病室の扉を開けると、 心電図モニターが視界に入った。 詳しい読み取り方は分からないけど、 モニターに表示されている数字と波線が、 まだナオちゃんが生きている事を教えてくれる。 良かった・・・間に・・合った。 「ナオちゃん・・・。カンタロウだよ。 間に合って良かった。」 ベッドの隣の丸イスに座る。 仰向けで横になっているナオちゃんは、 とても穏やかな顔をしていた。