「ワシ、そういう場所に行ったのは初めてでのう。

普通のキャバクラだって、
1回か2回しか行ったことなかったのに。

もうキラキラした姉ちゃん達がたくさんおったわ。

一緒に来た得意先の人はハジけておったが、

ワシはどうしたら良いか分からず、
ひたすらお酒を飲んで大人しくしてた。

そのうち、“席が空いた”ということで、

得意先の人はその場にいた姉ちゃん達引き連れて、別の個室みたいな所に行ってしまったんじゃ。」


「そういう場所で1人取り残されるってめちゃくちゃ不安になりますよね・・・。」


「しばらく1人でポツンと座っておったら、
ワシの席に新しい女の子が1人やって来た。

じゃが今までのキラキラした姉ちゃん達とは違って、

少し地味というか・・・素朴そうな女の子じゃった。

しかも、その子を席まで連れてきたお店の兄ちゃんが、

“この子だけは絶対お触り禁止です。
服も脱ぎません”

とわざわざ注意事項も言ってのう。」


「へ~。
中にはそういう子もいるんですね。」



「その子はワシの隣に座ってくれたが、
ワシは・・・シャイだったんじゃ。

お互い何も話す事はなく、
余計に気まずさが増したわ。」


「アハハハ、今のジョージさんからは想像つかないです。」


「ウヒャヒャヒャ。結局帰り際に、
“名前は何ですか?”
と聞いただけで終わったよ。

その子の名前は“ユミコ”。
女優さんのような綺麗な顔をしておったわ。」