「確か、

【魔法使いと元 魔法使いの人には魔法の事を話してもいい】

っていうルールだったから、
僕はまだ魔法使えちゃいますね・・・。

誰か他に信じてくれそうな人を探して、
その人に打ち明けてみます。」



「ちょっと待ちなよ!

何かあるかもしれないから、
むやみに放棄しないほうがいい!」


「このままだと、いつか僕が怪我した時、澤村さんに痛みを移す可能性だってあるんですよ?」



「吉良君はそんなことしないよ。
君は優しい子なんだから。

ホームレスの炊き出しボランティアにこんなにも真面目に参加してくれる子なんて、

最近この辺ではなかなかいないんだからね。」



「・・・・・きょ、恐縮です。」



「とにかく、君は特別な力を与えられたんだから。

いつかその魔法が役に立つ時が来ると信じて、普段通り過ごしてみて。

元 魔法使いからのアドバイスだと思ってさ。」



「・・・・・分かりました。
ありがたくアドバイス頂戴します。」









一通り話を終えた後、ついでということで澤村さんに家まで送ってもらった。


“人に話を聞いてもらう事”の大切さが今日改めて身に染みた。



最近悩みっぱなしだったけど、
少し足取りが軽くなった気がする。







第5章 完