でもこうなったらしかたないか、ここはアヤに助けてもらおう。
「やだなぁ、佐藤くんはそういうんじゃないよー。メグ、そういうの分かんないからアヤに教えてもらわなくちゃ。そろそろ帰ろっ。ね、アヤ?」
ここまでややこしくなったのはアヤのせいだから責任取って、という目で訴える。
めっちゃ作り笑顔で。
伝わったかはあやふやだけど、察してくれたらしい。
「おけ、帰ろっか、メグ、私の家寄るよね?」
と、他の人は来るなアピールをしてくれた。
言っていなかったが、
アヤは、いわゆるクールビューティというやつで、男女ともに信頼は厚いが、子供の頃からの親友の私以外そこまでプライベートに誰かを入らせない。
顔も来るなって言ってたけど。
皆、残念そうな顔をしたが、しかたないか、という顔をしていた。
「黒石さんの家寄るなら仕方ないか…」
「俺らは何も出来ないね…」
ごめんね。今日はもう疲れたんだー。ってことでさよならー。
黒石さんっていうのは、アヤのこと。
黒石彩乃。私はアヤって呼んでる。
スタイルが良くて、つやつや黒髪のショート。あんまり私以外と話さないから、皆クールだって言ってる。
実際はめっちゃふざけてて、クールとは遠い感じだけどね。