「そんなお前に、プレゼントだ」
テーブルに投げられた紙袋の中身を出して、和は思わずといった感じでテーブルにたたきつけた。
ダンッ!
という大きな音とともに、叩きつけられた紙を、石川が興味深そうに拾う。
「プロットですか?」
「石川さん、やめてください!」
拾い上げた紙には、「崎本和」の名前で書いたプロットがのっている。
「…へえ」
思わず出た、という感じの声に、和はテーブルの向こうにいる石川に伸ばしていた手を下ろした。
「田上さん、なんの嫌がらせですか、これ…」
「感謝しろよー。お前の昔のプロットやら持ち込み作品から、使えそうなの持ってきてやったんだから」
「最初は本名で応募してたんですね」
石川のつっこみに、そこではない、と思いながらも和はうな垂れながら答える。
「今の出版社に送るときに作ったペンネームなんです。女子高生作家ってなるのがいやだったので」
崎本和をちょっとだけいじって、本崎和也。
もとの名前がどっちともとれる名前ではあるのだが、より男性によせたのだ。
「この辺の話を、今のお前が書いたらそこそこ面白いんじゃないかと思うんだけどな」
いくつか渡された懐かしいプロットは、恥ずかしくなるくらいに甘くて稚拙だ。
「…どうにかなると思えないんですけど、この設定」
「それはどうにかするのが作家様のお仕事だ」
若気の至りな恥ずかしいプロットをいくつかみなおすと、その頃の記憶が溢れていく。
テーブルに投げられた紙袋の中身を出して、和は思わずといった感じでテーブルにたたきつけた。
ダンッ!
という大きな音とともに、叩きつけられた紙を、石川が興味深そうに拾う。
「プロットですか?」
「石川さん、やめてください!」
拾い上げた紙には、「崎本和」の名前で書いたプロットがのっている。
「…へえ」
思わず出た、という感じの声に、和はテーブルの向こうにいる石川に伸ばしていた手を下ろした。
「田上さん、なんの嫌がらせですか、これ…」
「感謝しろよー。お前の昔のプロットやら持ち込み作品から、使えそうなの持ってきてやったんだから」
「最初は本名で応募してたんですね」
石川のつっこみに、そこではない、と思いながらも和はうな垂れながら答える。
「今の出版社に送るときに作ったペンネームなんです。女子高生作家ってなるのがいやだったので」
崎本和をちょっとだけいじって、本崎和也。
もとの名前がどっちともとれる名前ではあるのだが、より男性によせたのだ。
「この辺の話を、今のお前が書いたらそこそこ面白いんじゃないかと思うんだけどな」
いくつか渡された懐かしいプロットは、恥ずかしくなるくらいに甘くて稚拙だ。
「…どうにかなると思えないんですけど、この設定」
「それはどうにかするのが作家様のお仕事だ」
若気の至りな恥ずかしいプロットをいくつかみなおすと、その頃の記憶が溢れていく。

