そう。今、和はこの宮前久弥というデザイナーに個人的な依頼をしている。
「でも、どうしても宮前さんのイラストが欲しいんです」
「仕事の話なら石川でもいいのでは。知り合いなんでしょう?」
「石川さんではだめなんです」
石川は様々なテイストを手がけられるデザイナーで、彼がてがけた装丁の本や小物は和もいくつも持っている。
しかし、今回欲しいのは宮前のイラストだ。
「無理です」
しかし、宮前は一向になびく気配がない。
「どうしてもですか」
「どうしてもです」
最初の頃はメールにも返信があったのだが、最近では返事がなくなってきている。
事務所に電話はさすがに社会人として迷惑がかかるのでできない。
そこで、最終手段として石川を頼ったのだが。
「これ以上は仕事に差し支えますので、これで」
そう言って宮前が立ち上がろうとしたところで、部屋に石川が入ってきた。
「宮前ー、岩瀬さんのところの色校できたっていうから、取ってくるついでに本崎先生送っていってあげて」
「は?」
「方向一緒だから。本崎先生、執筆、よろしくお願いしますね」
「ありがとうございます」
石川の援護射撃は完璧で、ここまでが約束の内容だ。
にこっと宮前に向かって和が笑うと、深い深いため息をつかれた。
「でも、どうしても宮前さんのイラストが欲しいんです」
「仕事の話なら石川でもいいのでは。知り合いなんでしょう?」
「石川さんではだめなんです」
石川は様々なテイストを手がけられるデザイナーで、彼がてがけた装丁の本や小物は和もいくつも持っている。
しかし、今回欲しいのは宮前のイラストだ。
「無理です」
しかし、宮前は一向になびく気配がない。
「どうしてもですか」
「どうしてもです」
最初の頃はメールにも返信があったのだが、最近では返事がなくなってきている。
事務所に電話はさすがに社会人として迷惑がかかるのでできない。
そこで、最終手段として石川を頼ったのだが。
「これ以上は仕事に差し支えますので、これで」
そう言って宮前が立ち上がろうとしたところで、部屋に石川が入ってきた。
「宮前ー、岩瀬さんのところの色校できたっていうから、取ってくるついでに本崎先生送っていってあげて」
「は?」
「方向一緒だから。本崎先生、執筆、よろしくお願いしますね」
「ありがとうございます」
石川の援護射撃は完璧で、ここまでが約束の内容だ。
にこっと宮前に向かって和が笑うと、深い深いため息をつかれた。

