壊れたフィルムと時雨時


 放課後、部室へ自分から向かった。

「野宮」来るとは思っていなかったのだろう。
驚いた顔で、煙草をふかしながら誰もいない部室に蘇芳先生は待ってくれていた。

何も言わずに先生に写真を手渡す。
また、いつかのように窓際の席に座り窓を開け外を眺めると、茜色の空はあの時より鮮明に見えた。

風の音、草の匂い、生徒たちの声もこの間より近くに聞こえる気がした。


先生は写真を見て何を思っているだろうか。

青臭いなぁとか?
いつもみたいにダメ出しされるだろうか。

今の野宮千明にできる最高の一枚なはずだ。だから、自然と怖くなかった。