「ただいま」 自宅の扉をくぐると安堵の息が漏れた。 部屋はいつも通り暗く両親はいない。 父は私が幼い頃に既に亡くなっていて今では写真の中で笑って私を抱えている男性が父親という認識しか、ない。 母は父が亡くなってから女手一つで育ててくれた。 だから仕事で忙しく私に干渉する暇もない。 たまの休みに会話できたらいい方だ。 私は一人でいることも好きだから、寂しくはないのだ。 制服を脱ぐこともせずソファーに横になり、今日あった出来事に思いを馳せる。