壊れたフィルムと時雨時


2年前の秋、初めて先生に写真を見せた時・・・

それは自信満々な一枚だった。
しかし先生はばっさりと「色がない。」
そう一言だけ言って写真を私に返した。

私は何故か確かにそうだと、すんなり言葉が心に響いた。
(実際うちの部員が少ないのは先生の棘のある言葉のせいだろうとこの時から思っているけれど)


「お前さ、今生きてて楽しい?」

「えっ」
「いや、悪い意味じゃねぇんだけどさ、何か必死さというか青春が足りないというか・・お前くらいの年ってもっと・・・」

ぶつくさ言い、何を思ったか押し黙った。「せ、先生?」

少しの間二人だけの空間に静寂が訪れる。

視線を外に彷徨わせると、西空からずっと茜色が続いてこの教室をも支配している。
夏に引退した部活の元気な掛け声すら遠く、夏の終わりはどこか寂しさを含んでいた。