結局HRは放課後まで長引き、最終的に演劇で決定することになった。
「演目は?」
「あのっ、」
・・・樹?
「どうしたんですか、村瀬君。」
普段大人しい樹が立ち上がっているのでクラスの視線は樹に注目される。
「ぼ、僕、あの脚本書きます。」
少しだけどもり、小さな声だけど樹の目はどことなく光ってみえた。
(樹もクラスの中で発言するんだ。)
皆の沈黙に少しだけ何故かハラハラしながら口を噛む。
「村瀬君が台本を書いてくれるそうですが、皆さんどうですか?」
「村瀬すげぇ!お前そんなんできるんだな!」
勇樹がニカッと笑い言うのをきっかけに口々にそこら中で樹を称賛する声がぽつりぽつりと聞こえ始めた。
(良かった)
ホッとして胸を撫で下ろす。
(・・・なんでホッとしているの?)嫌いなはずなのに。
隣の優を見ると何故か優は樹をじっと見ていた。
