T I R O L





「それよりさあー。あんた ほんと、眺めてる場合じゃないよ? いつ あのブリッコ女が動き出すか わかんないんだからさ。」





ちゃこが 教室の入口付近に

目をやりながら言う。






「…わかってるよ。」






あたしは、急にテンションが下がる。



だって 苦手なんだ


告るとか、そーゆーの。







「幼なじみってったって、あと1年半もすりゃ 高校卒業なんだからね。社会人になってまで 一緒にいれる方法なんて、もう そんなの1つしかないんだから。」








あたしが どれだけ長い間

片想いしてきたか


知ってるからこそ



あたしの為に言ってくれてる



それは わかる。









けど




がんばって 上手く行くこともあれば



がんばったって無駄なことだってある。








「柚ー! 英語の訳見して!今すぐ!」








はあ…。