小悪魔カレシの甘い罰




 こんなタワーマンションに独身男性が一人暮らししていたら興味が沸くのも当然だろう。
 

 職業柄、司の生活時間が自由なので、きっと普通のサラリーマンだとは思われていないはすだ。



「もし私がご近所さんに何か聞かれたら、何と答えましょうか」


 美桜がうーん、と悩んでいると。



「いちいち理由考えるのも面倒だから、婚約者ってことにしとけば」


「はっ? こ、婚約者?」


 美桜はむせてコーヒーカップを置いた。



「大丈夫?」


 司は相変わらずクールな顔で聞いて来る。


 何か変なこと言っただろうかという雰囲気だ。



「婚約者って…そんな嘘必要ですか?」

「聞かれた場合はね」


 婚約者という響きに、かなり動揺し美桜は頭の中がぐるぐるしてきた。