それに、今この時間、自分のことをどう思って引き寄せているのか。
すべてが謎だと思った。
「でも…」
「…わからないものは、知りたい?」
先に言われ、こくりと頷くと、司の指が美桜の顎に触れる。
「じゃあ──」
自然と上向かされ、間近で見つめ合うと、くらくらと目眩がした。
戻れない、と直感で思った。
わからないものは、知りたい。
司のことをもっと知りたい。
「美桜が知りたいものを教えてやる」
顎を持った司の指が、美桜を呼ぶようにしなる。
そして、どちらともなく、引き寄せられるように唇が触れ合った。
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