「で、美桜は何を知りたいの」
膝に頬杖を付いた司の流し目が美桜を捉える。
瞳の奥にある妖しげな色を確認すると、美桜の瞬きも溶けるようにゆっくりになった。
彼が全ての空気を操っている、それにどんどんハマッている気がしていた。
飲まれないようにしないと、と自分に言い聞かせるも、抗えないムードがそこにある。
やっぱりこの人は小悪魔だ。
「司…さんこそ、何で私を観察するんですか」
「言ったでしょ、気になるものは見ちゃうって」
本能的な? とくすっと零した司が魅惑的で視線を外せない。
気になると告げられて、ひどく動揺していた。
面白がられているのか、それとも異性としての意識がそこにあるのか。
それがわからず、もどかしい気持ちになる。
「司さんて…何考えてるかわからないですね」
「そう?」
「…頭の中、どうなってるのかなって…」

