■ オレンジ色のカクテルをテーブルに置き一息つく。 アルコールが喉を通っていく感覚に、自然と気持ちが解れた。 向かいに座った志保が「で?」と、目を細める。 「でって?」 話題は見当がついている。 けれど核心に触れるのを避けた美桜は、そう切り返した。 「業界一の天才に選ばれた感想は?」 志保は手のひらでグーを作ると、マイクに見立てて美桜に向ける。 「感想って…がんばりマス」 美桜はなるべく動揺を隠しつつ、そっけなく答える。 正直、その質問は耳にタコだった。