「あんた、気に入った」


 その瞬間、美桜の頬が熱を持つ。


 けれど、それを隠すように美桜は口を開いた。


「あんたじゃないです、長浜です──」


 声がわずかに震える。

 喜びか、緊張かわからない。

 けれど心は驚くほど高ぶっているのを感じる。


 司が自分を選んでくれた。



「長浜美桜です」


「わかった、美桜──」


 眩しい笑顔に目がくらむ。

 周りもそんな司の奔放さに言葉を失う。



「よろしく」



 衝撃的にコンビが結成されたとオフィス内は熱に浮かされた。