じゃあ、なんで……? 私が聞こうとする前に、陽人が口を開いた。 「それとこれとは、話が別だ」 陽人は、その場にしゃがみ込んで自分の義足をコツン、と小さく叩いた。 「俺には俺の、舞台がある」 舞台。 そこは、どんな景色なの? 君はそこで、何を見てる? 何をしてる? 「その舞台って、どこ?」 私は聞かずにはいられなかった。 すると、陽人はとびきりの笑顔で「そりゃあ、もちろん」と言った。 「パラリンピックに決まってんだろ」