なんか、うーん。
なんでいつもこうなんだろう?
「こっちは真剣に質問してるんだけど」
「俺も、真剣に納得してるんだけど」
あーあーあー、もうっ!!
コイツと話していると、無性にイライラする。
天然にも程があるっつーの!
だけど、気づけば私は笑っていた。
「ダメだ、陽人には真剣な話は合わない」
何だよそれ、と言いながら、陽人も笑っていた。
それを見て、思う。
陽人が今笑っているならそれでいいかな、と。
全てを知りたいとか、高望みする必要はないかな、と。
誰にだって、言いたくないことの一つや二つあって当たり前だ。
……私にもあるのと同じように。
陽人なら、重い話も全部話してくれるかなって思ってたけど、彼も人間なのだ。
全部が全部、素直に話せるってわけじゃない。
「やっぱり、なんでもないよ」
なんでもない。
なんとなく、その響きが気に入って、私はもう一度「うん、なんでもない」と呟いた。
