16の、ハネ。


ていうか、他人のこと心配してる場合かっ!!

私は頭を左右に振り、雑念を取り払った。





家に着き、さっそくスマホで【清瀬 陽人】と検索ボックスに打ち込むと、一瞬にして膨大な情報が出てきた。

それを見て、改めて陽人の凄さを感じる。

「……けっこう全国クラスの大会で成績残してるなぁ」
とつぶやきながら画面をスクロールしていく。


しかし流れるように動かしていた指が、ある文字を見て止まってしまった。



『全国小学生バドミントン大会』



これは、障がい者向けの大会などではない。
小学生の健常者の全国大会である。

クリックしてトーナメント結果を見ると、陽人は5年男子シングルスの部に出場しており、ベスト8まで上り詰めていた。

しかも今大会で唯一、優勝者にファイナルゲームまで持ち込んでいた。
きっと、相当長い試合だっただろう。



「健常者と同じ舞台で戦ってたんだ……」



やっぱり陽人はすごい。
私なら健常者と一緒になんて、絶対にやらないだろう。


きっと、義足のことをフリだなんて考えてもないんだろう。
すごい負けず嫌いそうだし。