16の、ハネ。




今日もサークルは賑わっていた。
小学校低学年の子たちが元気に走り回っている。

……私にもこんな時期があったのかな。


「浮かない顔してっとブスになるぞ」

という失礼きわまりない発言がすぐ近くで聞こえてきた。

「浮かない顔じゃないし。ちょっと物思いにふけってただけだし」

「だーから、それが浮かない顔だっつってんの。もっと笑えよ。せっかく可愛いのにさ」

「はっ!? なに言ってんの?」

そういう恥ずかしいこともサラリと言えるのが良いところでもあるんだけどさー。

「ん? そのままのこと言っただけですけど?」

「純粋天然クソ野郎め……」

さっさと練習戻れ! と陽人を一喝して、私はなんとかその場を乗り切った。あれ以上、一緒にいたら体温が爆発的に上がりそうだ。