「別に事故っつってもチャリだけひかれただけで、俺は無傷だし。それと、この足は生まれつきだからな」
「あ、そう」
本当はもっと言うべきことがあるのかもしれないけど、私は何だか色々とびっくりして適当な返答しかできなかった。
それよりも、次々と陽人への質問が頭を過るのでそれどころじゃなかった。
あー、もう!
コンビニにいたときの自分がもどかしい。
自分で一度決めたことをねじ曲げるのは、プライドが邪魔をしてできなかった。
それでも。
「えっと、さっきのルールナシにしない?」
私は一言、口に出すことが出来た。
すると陽人はフンと笑ってから「俺は構わねぇけど?」と上から目線で同意してくれた。
