16の、ハネ。


「別に事故っつってもチャリだけひかれただけで、俺は無傷だし。それと、この足は生まれつきだからな」

「あ、そう」

本当はもっと言うべきことがあるのかもしれないけど、私は何だか色々とびっくりして適当な返答しかできなかった。

それよりも、次々と陽人への質問が頭を過るのでそれどころじゃなかった。


あー、もう!
コンビニにいたときの自分がもどかしい。


自分で一度決めたことをねじ曲げるのは、プライドが邪魔をしてできなかった。

それでも。

「えっと、さっきのルールナシにしない?」

私は一言、口に出すことが出来た。


すると陽人はフンと笑ってから「俺は構わねぇけど?」と上から目線で同意してくれた。