16の、ハネ。



……いいな、あんな風に自然に笑えるの。


私は、あんなに笑えていただろうか。


あんなに夢中になれるものが、果たしてあったのだろうか。




私は…………。




昔のことを考えると、心臓の奥の方が窮屈になって、胃がキリキリした。
私は嫌な思い出を無理やり記憶の底に押し込む。


「……考えない、考えない」

自分に暗示をかけるように言い聞かせ、もう一度視線をフロアに戻す。



私の気持ちとは裏腹に、真っ白いシャトルは自由気ままに飛び回っていた。