16の、ハネ。


口火を切ったのは、彼の方だった。

「はい、じゃあまず俺から! これから暇?」

いやいやいや、ちょっと待て。

「さっきの質問はどこいった!?」

私のこの問いに対し、彼は意外にも冷静な返答をした。

「んー、どうせこの辺なんだろうなって思ってさ。別にわざわざ聞かなくてもいいかなぁ、と」

なるほどね、と納得したのもつかの間。

「それで何でこの質問なのさ!?」

私が半ば反射的に突っ込むと、彼は私の顔めがけてビシッと指を指した。

「はい、ルール違反! 質問したいなら、俺の質問にきちんと答えてからにしてくださーい!」

「ぐ……」

正論を言われて、私は思わず口をつぐんだ。

「よし! それでは改めてもう一度。これから暇?」

「べ、別に特に予定ないけど……」

すると、彼はニヤリと笑った。

「よし、それじゃあ今からソウタイ行こう!」