私はヤケになった。
「わかった、じゃあこうしよう。お互い、一つずつ順番に質問して答える。それなら公平でしょ」
昔読んだ少年漫画に、このルールのもと情報の取引をするシーンがあったのだ。なぜか今それを、咄嗟に思い出した。
でも、このルールなら、そんなに多く質問されることはないだろうし、こっちも向こうの情報を知ることができる。正直、自分のプライベートを答えるのは気がひけるが、街中で目立つよりかはマシだ。悪いやつではなさそうだし、多分大丈夫だろう。
彼は「おおっ!」と歓声を上げた。
「いーじゃん、『質問ゲーム』」
「このルールってそんな名前があったの?」
「ん? 今、俺が考えた!」
そう言って彼は二ヒヒっと笑った。どうやら随分と乗り気のようだ。
