16の、ハネ。



私はヤケになった。

「わかった、じゃあこうしよう。お互い、一つずつ順番に質問して答える。それなら公平でしょ」

昔読んだ少年漫画に、このルールのもと情報の取引をするシーンがあったのだ。なぜか今それを、咄嗟に思い出した。

でも、このルールなら、そんなに多く質問されることはないだろうし、こっちも向こうの情報を知ることができる。正直、自分のプライベートを答えるのは気がひけるが、街中で目立つよりかはマシだ。悪いやつではなさそうだし、多分大丈夫だろう。

彼は「おおっ!」と歓声を上げた。

「いーじゃん、『質問ゲーム』」

「このルールってそんな名前があったの?」

「ん? 今、俺が考えた!」

そう言って彼は二ヒヒっと笑った。どうやら随分と乗り気のようだ。