と、心 の準備を整えていた時……。
「わっ!」
「うわぁぁー!?」
後ろから声と衝撃が来て、私は思わず叫んでしまった。後ろを振り向くと、満足そうに笑う彼の顔がある。うん。すごいむかつく。
「びっくりした?」
「……はい」
本当は「何なんだよこの糞野郎!」と言ってやりたかったが、すんでのところで飲み込んだ。そんな私の心の内を知る由もなく、その男子は楽しそうに言葉を続ける。
「音羽って一年だろ? 俺も一年だからタメで話そうぜー」
私は思わず顔をしかめた。
こいつ、私の素性を暴いてまで仕返しをしようとしたかったのだろうか? それにしては、覇気が感じられない。
なんていうか、すごいほのぼの。
「あ、あの」
このまま探り合いをしていても埒があかないし、寒さも限界に近かったので私から切り出した。
「この間は、つい感情的になってしまって雪玉を投げ返してしまいました。本当にごめんなさい!」
私は深く頭を下げた。
