〜翌朝〜



この日は土曜日だったため水雫は公園に来ていた。

…リオードがいた、あの公園に。


…水雫「はぁ、プリンセス…ね。」

私には無縁だと思う。むしろ“騎士”と呼ばれているほど男勝りなのだから。

けれどやはり、私だって、一応女なのだ。プリンセスに憧れないことはない。


昔、私の母が私によく聞かせてくれた話があった。それに憧れていたのだ。


公園の中のどこか1箇所だけ、王国へ繋がる道があり、そこを抜けて目を開けると華やかな王国があり、そこで、“騎士のようだ”と言われていたプリンセスと王子が恋に落ちる。そして結婚し子供を授かった。

という話である。


…未だに憧れがある水雫は踏んでみたら行けたりしないだろうか。なんて期待を持ちながら立ち上がり公園内のいろんな所を歩き回ってみた。


水雫「もうかえるか。」

しかし、どこを踏んでも何も起きず、やはりおとぎ話なのだと思った瞬間、水雫は落ちたのだ。下に。

そう、あの国に。