人間って難しいですね。
機械のワタシには、永遠に理解する事は出来ないのでしょうか……。


データを全て、検索してみますが、やっぱり分かりません。


「やあ、いらっしゃい。カノン」

「今晩は。マルジロさん。夕飯に招待してくれて、ありがとうございます」

「家で良ければ、いつでも来なさい」

博士も、そう言って笑いました。
今のは優しさですか?

『博士、お湯加減は如何でしたか?』

「ああ、ワシの作った循環風呂はいい調子だよ。好きな時にいつでも、風呂に入れる」


博士は、大の風呂好きです。人間は毎日入るのですね。
暑がりな人間が、お湯に遣っても大丈夫なのでしょうか……。


「ボロ、料理はまだかい?」

『あと20分で出来ます』

ワタシの体に内蔵されてる時計は、すごく正確ですよ。
一秒たりとも、狂った事はありません。しかも、アラーム付き。さすが、博士です。

「そうだ、井戸の水汲み機は正常に動いておるか?」

「ええ。マルジロさんのお陰で、水を汲むのがとっても楽です」

「それはよかった。故障したら、いつでも言いなさい」