わたしのキャラメル王子様

転がったボールをキャッチしたのは、悠君の友達の彼女さんだった。



体育館には特別な女子しか立ち入れない特等エリアみたいなのがあって、私もいつかあの場所で悠君がキャッキャしてるのをニヤニヤ眺めてみたいなぁってこっそり憧れてた。



それにしても彼女さんたち。
顔面偏差値が揃いも揃って高すぎる。



右から、可愛い可愛い可愛い可愛…………え?



美少女軍団のなかに、
咲田さんがいた。



なんで?



悠君チームの?
それか敵チームの誰かの彼女?
そんなわけ、ないよね。



ゲームがお開きになると、何人かの男の子たちはそれぞれの彼女の元へ向かった。



預けてた物を受け取ったり
うちわであおいでもらったり
じゃれあったり。



すべてがうらやましい光景だったけれど、悠君がまっすぐに咲田さんのもとへ歩いていく姿は、私を奈落の底へ突き落とした。