「山に打ち込んだボールを取りに行こうとして……」
悠君の顔を見たら、ホッとして泣きたくなってきた。
でも、もうボールはいいの。
明日素直にみんなに報告して、お昼に探すつもりだから。
そう言おうとしたら、悠君は荷物を投げ出してスマホを手に錆び付いた扉を潜ってしまった。
「なくしたの、一個?」
「そうだけど、今日はもういいの!悠君危ないから行かないで?」
「沙羅のためならたとえ火のなか水のなかでしょ?」
「何バカなこと言ってんの、ほんとにやめて?」
「5分だけだから」
「5分だけって?」
そう聞いたら、悠君は少し悲しそうに笑った。
「5分だけ沙羅のこと、そこでひとりぼっちにさせちゃうけど、ちゃんと待っててね」
「悠君……」
彼はほんとに山のなかに消えてしまい、そしてきっかり5分後。
テニスボールを3個みつけて戻ってきた。
悠君の顔を見たら、ホッとして泣きたくなってきた。
でも、もうボールはいいの。
明日素直にみんなに報告して、お昼に探すつもりだから。
そう言おうとしたら、悠君は荷物を投げ出してスマホを手に錆び付いた扉を潜ってしまった。
「なくしたの、一個?」
「そうだけど、今日はもういいの!悠君危ないから行かないで?」
「沙羅のためならたとえ火のなか水のなかでしょ?」
「何バカなこと言ってんの、ほんとにやめて?」
「5分だけだから」
「5分だけって?」
そう聞いたら、悠君は少し悲しそうに笑った。
「5分だけ沙羅のこと、そこでひとりぼっちにさせちゃうけど、ちゃんと待っててね」
「悠君……」
彼はほんとに山のなかに消えてしまい、そしてきっかり5分後。
テニスボールを3個みつけて戻ってきた。



