「法人事業部の倉田奈緒(クラタ ナオ)って子だ」


「倉田?・・・知らない子だな」


「お前、以前 あの部署にいたよな」


「ああ」


「なんとか頼む!」

そう言うと、広瀬は顔の前で両手を合わせて拝んだ。



「分かったよ。当ってみるよ」


「さすが稲垣。持つべきものは友だな」



俺も、広瀬には世話になることが多い。



持ちつ持たれつというところか。