翌日、俺は澤田有希から得た情報を広瀬に報告した。



「クーッ。そんなにハードルの高い女か」


広瀬の落胆ぶりは無理もない。


ほかの奴ならともかく 石塚までもが却下されたのだ。



到底 広瀬に勝ち目があるとは思えなかった。


もちろん、それは俺にも言える事だが。



「飲みの約束は頼んでおいたから、あとは お前の努力次第だな」


「簡単に言ってくれるぜ・・・。石塚がダメで、俺がOKなんてありえねーよ」


「たしかに お前の勝てる確率は限りなくゼロに近いな」


「ガクッ」


広瀬は うなだれるように肩をおとして おどけた。




「だけど、好みは人それぞれだからな。お前の顔が彼女のタイプかもしれないぞ」



すると、広瀬は腕組みをしながら何やら考えこんだ。