「なに?変なこといった?」
「髪は長いのがタイプだよ!」
「えっ、あ、そっか。って、なんでちょっと怒ってんの」

わけがわからない。

「んー!いや、なんかもう、付き合ってんだなーと思って」
「はあ!?なに、急に!」
「手繋いでも普通だし、髪型の好みとか聞いてくるし、いちいちなんかこう、あー!」

急にジタジタしだして、本当にどうしていいかわからない。

「恥ずかしいの承知で言う!」
「え、うん?」
「白井、割と俺のことちゃんと好きなんだな」

一瞬停止してから、

「はあ!?何言ってんの急に!ば、ばかじゃないの!」

顔は真っ赤だし、全身から汗が噴き出すくらいに恥ずかしい。

ていうか、だから付き合うって話になったんでしょうが!

「暴れんなって」
「無理!もう!」
「いやだって、話してるとそう思うことばっか言うから、もう俺だってどうしていいかわかんねぇよ」

繋いだ手をぎゅっと握り直されて、恥ずかしいのに嬉しくて同じように力をこめる。

「…ていうか、言っとくけど先に好きになったの私なんだからね」

好きすぎて、わかんなくなって、別れちゃうくらい。

なんて、それはちょっと卑怯な言い方だけど。

「あー、ほら、もう、そういうことをさー」
「わかった!もう言わない!恥ずかしいの禁止!」
「あ、待って!一個だけ、一個だけ白井が今のテンションのうちに聞いときたい」

恥ずかしくてぶすっとなりなが、なに、と返す。

「鈴、って、呼ぶのはあり?」

あんまりにも恥ずかしくて。
それでいて夢みたいに嬉しくて。

思わず発狂しそうになった。




FIN