夏休みが近づいている。

1年生は初めての高校生活の夏休みだからか、浮き足立つ感じが一際だ。


中学の頃はありえなかった、教室でジュースやお菓子を食べながら休みの計画を練るという光景を横目でみながら、図書室に向かう。


「白井、お前友達いないの?」

失礼なことを言うのは、追いかけてきた田口君だ。

「中学の頃は普通にしてた気がするけど、高校だと静かじゃね?」
「そう?別に、今も普通だけど」

本当は、なんとなく気後れしている間に出遅れて、クラスの友達の輪に入りきれなった。

別に誰とも話せない訳ではないけれど、なんとなくグループワークとかになったときにひやっとする立ち位置だ。
結局、いつも同じようになんとなく輪をつくれなかったり、人が足りないところに混ぜてもらっている。