アイコが戻ってきた。

「これでよかったですか?」
「はい、ありがとうございます…」

3人とも気まずいままで、テレビを見た。

沈黙に耐えられなくなったのか、アイコが話をはじめた。

「ほんと、アイさんって可愛いですよね。色も白いし、髪も綺麗だし」
「そんなことないですよ」

心の中で私は舌を出した。

「当たり前でしょう。あなたに比べたら私は可愛いに決まってる。
少なくても努力してる!!」

「うん。アイはモテるからな。高校のときも、男どもから人気あったよ」

そうやって誉めるくらいなら、なんで一言、「俺の彼女なんだ」って言ってくれないんだろう?

誉められても空しい…。

言ってほしいのは、そういうことじゃなくて、「アイは俺の彼女」って言葉なのに…。


とりあえず、どんな女かは見た。
性格はまだわからないけど、少なくても外見で負けることはないだろう。

「私、帰るね」

「送っていくよ」

アキラの車の中で、ぽつりぽつりと話をした。

「アイコさんはいい子だよ。一緒に話してると楽しい」

「そうなんだ…」

「うん」


私の家についた。

「じゃあ、またメールするから」

「私もするね。送ってくれてありがとう」

「じゃあな」

最後まで、聞きたい言葉は言ってもらえなかった…。