「うぅっ……あついー」


口に出したって、現実は変わらない。

むしろ余計に熱くなったか。


机の上に伏せてしまえば、起きる気力など消え去ってしまった。

最初からそんなものなかったわけではない。

ないったらないってば。


あぁ、廊下から規則正しいトットッとした足音が近づいてくる。

聞こえているけれど、聞こえていないフリ。