〜キーンコーンカーンコーン〜

やっと終わったー。
よし、それじゃ2人のとこに行かないと、遅れたら怒られるし。

「詩織、あんた今日部活ないでしょ?私も珍しくオフだから一緒に帰らない?」
「あ、咲。うん。無いけど夏樹と冬樹と帰るって言っちゃったからそれでもいい?」
どうも、咲は2人のことが少し苦手みたいだから無理だよね…
咲とも帰りたいんだけどな…
「あー、別にいいよ」
へ!?
「いいの?」
「あの二人は詩織にとっても大切なんでしょ?」
「そりゃ、まあ。」
「詩織がそんなに大切にしてる人のことなら私も知る努力もして見ないといけないかなー、って最近思って。」
(なんてね、あの二人には興味ないけど、いい加減あの籠の中から出させてあげないといけない気がする。あの二人は一体この子をどうするつもりなんだろ。いつまでも変わらないなんて無理なのに。何をそんなに執着してるんだろ。たしかにこの子は可愛いけどそれだけじゃないような。とにかくいつでも守ってあげられるように二人のこと、少し調べないと)
「ありがとう、咲!ほんと大好き!!」
「友達なんだから当たり前でしょ。よくよく考えれば、小学校から一緒なのにほとんど知らないのは変だしね」
「そんなに関わりなかったっけ?」
「ほとんど話したことない、詩織の2人についての話と周りからの評判くらいでしか知らないよ。」
そうだったっけ。全員大好きだから仲良くなってもらいたいんだけど…
「よし!それならなおさら一緒に帰ろ!私、みんな大好きだから、仲良くなって貰えたら嬉しい!」
「何この可愛い生き物!」
咲が詩織を撫でる
「髪、グチャグチャになるー!」

「何してんの、こんな所で。」
「あ、冬樹!」
「あのね、咲がふたりのこと知りたいから一緒に帰りたいって言ってるから一緒に帰ってもいい?」
「園田さん、少し話があるんだ。詩織は先に校門のとこに行っといて」
「何!?なんで私も一緒じゃダメなの?」
今一瞬冬樹の雰囲気が変わったような気がする…
まるで別人みたいに…
「大丈夫、先に行ってて。すぐに追いつくから。ね?」
(今一瞬化けの皮剥がれたな。やっぱりこっちが本性か。ただの女子から人気のイケメンって訳では無い、か。もしこいつがあの子にとって障害になるようなら何とかしないと、だってあの子は…。)
「分かった、それじゃ、待ってるからね、早く来てね。」
「はいはい。」

パタパタパタパタ


「で、話って何?どうせあの子のことについてでしょうけど」
「わかってるなら聞くなよ。お前に聞きたいことがある。」
(やっぱり口調が全然違う。人を人とも思ってないような表情に声の冷たさ。一体何なの?何があるの?)